ライディーン / イエロー・マジック・オーケストラ〈YMO〉 (1980年)
『ライディーン』
『ライディーン』(雷電、RYDEEN)は、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の2枚目のシングル曲。
1980年6月21日にアルファレコードから発売された。
メロディはバーで高橋幸宏氏が鼻歌で歌っていたところを、坂本龍一氏がメモに書き起こして作られたとされている。
ただし、高橋氏の記憶では、スタジオでキーを完成させていたとしており、齟齬が発生している。
YMOの初代マネージャーであった日笠雅水氏は高橋氏が家でキーボードで作ってスタジオに持ってきたと明かしている。
高橋氏によると翌日アルファのスタジオのピアノでメロディを弾きながら坂本氏は「こんな音楽成立しない」という態度を全身から漂わせていたといい、坂本氏自身も「ドーレーミーで始まる曲などあり得ない」と考えていた。
イントロのコードは高橋氏がすでにキーボードで考えていたもので、続きの部分は坂本氏が聞き取ったものである。
坂本氏はその光景をはっきりと覚えているが、高橋氏は覚えていない。
元々のタイトルは江戸後期の伝説的な力士「雷電爲右エ門」から『雷電』と表記された。
坂本氏は「『雷電』には東海道五十三次のような浮世絵のイメージがあり、浮世絵が世界に影響を与えたように、自分達の音楽も世界に影響を与えることと重ね合わせた」と発言している。
その後、細野氏の「アメリカで今『勇者ライディーン』っていうアニメがヒットしている」ので「じゃあ、『ライディーン』にしちゃおう」という発言で『ライディーン』となった。
ただし『勇者ライディーン』の英語表記はRAIDEENであり、綴りは若干異なる。
無機的な表現とするためあえて抑制したつくりだった『テクノポリス』に対して、『ライディーン』は逆に盛り上がるように作られている。
また、細野氏は「遊びながら、当時の自分達では作れるとは思っていなかったサウンドができ、非常に楽しいレコーディングだった」と回想している。
映画『スター・ウォーズ』を黒澤明監督が撮ったらどうなるか、が発想の起点だった。
その為、途中で戦闘ゲームや時代劇風の馬が走る音が入る。
このことは作曲者の高橋幸宏氏が著作で明かしている。
また、『雷電』と『RYDEEN』は曲調が少し違い、雷電の方が比較的遅めで作られている。
世界の中心のジャパニーズ
リアルタイムでYMOを聴いていた世代ではないが、『RYDEEN』はもちろん知っている。
知ってはいるが最後までちゃんと聴いた記憶がない。
作曲した高橋幸宏氏、その盟友・坂本龍一氏が続けてご逝去されたということで、この機に改めてじっくり聴いてみる。
時代は移り変わっても、格好良いものは格好良い。
めちゃくちゃ格好良い。
これが今から40年も前に、世界の中心にいた日本人の実力。